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千葉大学医学部付属病院の総合診療科が新しい医療体験だった話

自分の身体が少し(たぶん一時的に)不自由になって感じたアクセシビリティーのこと」に書いた症状の原因がなかなか判明せず、最終的に千葉大学医学部付属病院の総合診療科に行ったのですが、個人的に新しい医療体験だったので紹介したいと思います。

総合診療科とは

以下、千葉大学医学部付属病院 総合診療科のページからの引用です。

当科では総合診療を「診断のついていない症候や健康問題を有する患者さんの生物・行動・社会的な問題すべてに対して行う、原因臓器に限定されない包括的な切り口での診療」と定義しています。また、ほとんどの外来疾患は病歴で診断できるという立場から、特に医療面接に重点を置いた診療を行っています。

クリニックや地域の総合病院などで診断が付かなかった人が、最後によりどころにするところといったイメージでしょうか。

普段テレビを見ないので知らなかったのですが、千葉大学医学部付属病院の総合診療科は、たびたびテレビでも取り上げられているようです。

自分の身体が少し(たぶん一時的に)不自由になって感じたアクセシビリティーのこと」に書いた症状について、整形外科やリウマチ科などのクリニック・総合病院にいくつか行ったもののその診療科の範囲では「問題ないので様子見」となってしまったため、総合診療科に行くことにしました。

*それにしても、歩いたり階段の上り降りもままならない状況が数ヶ月続いているのに「様子見」とされるのもなかなかの絶望感があります。

千葉大学医学部付属病院 総合診療科を予約する

総合診療科のサイトに記載があるとおり、セカンドオピニオン制のため、他の病院からの紹介状と検査結果の提供が必要になります。また、保険は効かず、全額自費です。

予約に際して紹介状が必要なので、最後に行っていた地域の総合病院に紹介状を書いてもらい、電話で予約したのですが、なんと3ヶ月待ち!

予約したころは症状が一番ひどかったころだったので、3ヶ月待ちと言われてだいぶ絶望しました。ただ、もう他の病院は色々行き尽くしたので、他の選択肢は探さず3ヶ月待つことにしました。

事前準備

他の病院での検査結果などは提供してもらったのでそれを共有するかたちになりますが、それ以外にも、参考になるものは可能な限り持ってきてほしいと言われました。

これまでいくつもの病院に行く中で、症状の説明が漏れそうだなと思い、時系列で症状の変化などを詳細に記録しておいたメモがあったので、3ヶ月の待ちの間もそのメモをアップデートして持参しました。合計6ページにもなりました。

その他、毎年の健康診断の結果や、アレルギー検査を受けた結果など、ひとまず手元に残っているものは全部持っていきました。

過去の検査結果などを残しておくのは大事ですね。

初回診察の流れ

午前の部

メインの医師 + 学生2名(スチューデントドクター)という体制で診察がありました。
*大学病院なので、タイミングによっては学生の同席や学生の問診があるらしいです。

実際の症状を詳しく聞かれるだけでなく、細かい生活習慣、それ以外の症状・体調、睡眠状況、メンタル状況、趣味、休日の過ごし方、家族関係など非常に多様なトピックについて聞かれます。

通常のクリニックや病院では、症状に対する直接的な診察がほとんどですが、目の前に現れている問題以外のあらゆる可能性を拾うため、かなり広範囲な話題について聞かれたのが印象的でした。

現在の症状やこれまでの経緯などを細かく記録しておいたメモからもたくさん拾って話をしました。

また、毎日朝いち同じ時間で体重を測っていたので、「症状の変化」と「体重の変化」をセットで追えて、記録しておくことは大事だなと思いました。症状が出始めてからの半年で6kgほど落ちていたので、その変化にわりと注目されました。

今回は痛みの症状がメインだったので、触診や動きを動画で撮影するなどもありました。

午後の部

医師が2名増えて3人体制になりました。基本的にはチームで患者を担当する体制らしいです。

お昼休憩の間に、午前の問診内容と持参した資料などを交えて議論していたようで、その結果を踏まえて、範囲を限定して深掘りしていくというのが午後の部でした。

午後の診察の最後に、その場で「今日は診断を下すのが難しいので、できればうちで別途検査をさせて欲しい」というお話がありました。

セカンドオピニオンなので、診断が付くと、基本的には地元の病院に戻り、大学病院では検査・治療はしないことになっていて予約時や問診票でもそれの同意を求められていたのですが、診断がつかない場合は別途検査するというパターンもあるようです。

その後の流れ

初回の診察で2つの可能性があげられ、次回、それについて検査することになりました。その検査の結果、副腎不全の可能性が高いとのことで、その専門である内分泌内科に行き、そこで詳細な検査を行うことになりました。

内分泌内科での検査の結果、「医原性副腎皮質機能低下症」という診断が付き、総合診療科の方は終了ということになりました。

総合診療科は、そこで最後まで見るのではなく、道筋を付けるところまでが役割のようですね。

何度か千葉大病院に行く中で、徐々に内分泌内科の方がメインになっていったのですが、その間でも総合診療科に行き状況の共有などのコミュニケーションは継続していて、その辺もとても丁寧な対応でした。

総合診療科で感じたこと

クリニックや地元の総合病院では、「検査結果に出たものを対応する」というスタンスが強いように感じています。なので、今回のように検査結果に出ない問題に対して、「様子見」になってしまう。クリニックや地元の総合病院は、かなりの患者数を対応しなければならないので、これは仕方ないというか、そういう役割なんだろうなと思っています。

一方で、総合診療科は「診断が付いていないものを扱う」ための診療科なので、時間をかけて、あらゆる可能性を探るというスタンスです。これが、自分のこれまでの経験にはまったくない新しい医療体験でした。

クリニックや地元の総合病院では、限られた時間の中での診察なので、伝えたいことを全部伝えきれなかったことがありました。しかし総合診療科では、時間をかけて、とにかく色々なことを引き出すという対応でした。何か少しでもヒントになるものを見つけようとしていました。

自分のケースでは、最初の受診の際は約3時間ほど対応してもらっていたかたちです(待ち時間や検査の時間は含めず診察の時間が約3時間)。

1人の患者に対して複数の医師がこれだけ時間をかけるのであれば、それは3ヶ月待ちになりますね。

このように、総合診療科は、他とはだいぶ位置付けやスタンスの違う診療科でした。時間はかかりましたが、ここで解決の糸口を見つけることができ、その後、内分泌内科へと引き継がれて治療がスタートしたことで、だいぶ普通に日常生活が送れるようになりました。

症状が出始めてから約1年、総合診療科の予約を取ってから半年ほどかかりましたが、千葉大病院の総合診療科に行くという選択をして本当に良かったなと感じています。

カジュアルに利用する診療科ではないですが、色々病院に行っても原因がわからない、でもとても困っている状況の場合は、すごくお勧めです。