ヴェルク - IT起業の記録

受託開発と自社サービスの両立への取り組み

B2B SaaSの個別相談会を100回やったので振り返り

1年半ほど前に始めたboardの個別相談会、4月に実施回数が100回を超えていたので、個別相談会を開始した経緯や効果などを振り返ってみたいと思います。

 

個別相談会とは

説明会のような大人数が集まる形式ではなく、1社ごとに打ち合わせ形式で、デモ・質問・相談などに対応しています。

本来はこちらから伺いたいところなのですが、うちの会社では営業がいないのと、低価格なサービスのため、訪問してしまうとコスト的に厳しいため、弊社に来社頂くか、Googleハングアウトを使ったオンラインで実施しています。

 

個別相談会は、週2枠用意して、予約制で実施しています。

予め枠を用意しておくことで、こちらは予定をブロックしておくことができるので、都度日程調整ではなく枠を用意して予約制という形を取りました。

始めた当初は週2枠埋まることは珍しく月4〜5件くらいでしたが、ここ半年ほどは週2枠では足りず、週4〜5件入っていることが多いです。

 

個別相談会を始めたの経緯

個別相談会を始めたのは、サービス開始してから1年ほど経った2015年9月でした。

受託の会社なのでサービスのことは右も左も分からず、最初の1年はサポートや継続開発を軌道に乗せることで手一杯でしたが、この頃になると、ある程度慣れてきて、ようやく、サービス開始当初から課題として感じていた、「スムーズに導入してもらうこと」に対する対策としてスタートしました。

 

個別相談会の基本的な構成

個別相談会は以下のいずれかの内容で行うことが多いです。
・基本的なデモを実施して、随時ご質問頂く
・最初から質疑ベースで進める

事前にある程度boardを使い込んだ上で個別相談会にいらっしゃる方は質疑ベースになることが多いですが、割合としては8割くらいがデモベースです。

デモの内容は、質問による中断がない状態で20分くらいの内容で、
・基本的な構成・考え方を理解してもらう
・どういった機能があるのか、といったことを知ってもらう
といった内容が中心で、個別相談会から帰って自分でやってみてもらう際に、迷わないで使えるようにすることを目標にしています。

 

デモの内容は、毎回改善を繰り返しています。

聞いているだけだと飽きてしまうので、なるべく長くなりすぎず、でもしっかり説明するというバランスを試行錯誤しています。

ここ1年ほどは、デモは僕ではなく別のメンバーがやっているので、僕が気になった点をその場でメモして、終わった後に「ここの説明がわかりにくそう」「ここの説明が冗長だった」などをフィードバックして改善するようにしていて、かなり完成度が上がっています。

実際は、デモの途中で質問があったり、デモの後に自社の事業・業務内容を伺ってどういった活用方法が良いかといった話をすることが多いので、1時間〜1時間半ほどになることが多いです。

 

また、たまにboardとは関係なく、バックオフィス業務全般の効率化の相談や、社内システム・セキュリティについてなどの相談があることもあります。

boardの個別相談会は、今のところ必ず僕が出席していて、システム・経営・経理・会計・業務効率化などを、board以外の話もひと通り対応することができます。

あとは、稀に、「どういう会社か見ておきたかった」「ブログに書いてあったDIYオフィスをみたかった」「田向さんに会ってみたかった」というのもあります。

 

無理に売り込まないスタンス

boardの個別相談会なので、当然boardの説明をするのですが、僕自身、エンジニアであって営業ではないためか、「なんとしても売ろう」という意識が薄く、「売り込む」というスタンスではなく、「正しく伝える」「課題を解決する」といったスタンスで臨んでいます。

そのため、ニーズがboardと合わない場合、「○○(他のサービス)の方が合っていると思いますよ」という感じで、正直に伝えるようにしています。

 

個別相談会のメリット

個別相談会のメリットは以下のような点があると考えています。

間違った使い方を防げる

間違った使い方をして、「このシステム使いにくい」「自社にとってメリットない」と判断されてしまうのは、お互い不幸です。

個別相談会のデモでは、単なる使い方だけではなく、
・どういう意図で作られているのか
・どういうシーンを想定しているのか
なども説明するようにしています。

正しい使い方で合わない場合は仕方ないですが、「知らなかった」「勘違いしてた」で満足度が下がることを回避できます。

有料登録して頂ける割合が高い

デモの中で概要を伝えることができるので、その後スムーズに使えることが多く、結果として個別相談会に来た方がそのまま有料登録して頂ける割合が非常に高いです。

有料転換(お試し登録から有料登録への転換)率は、全体では14%前後ですが、個別相談会参加者に限定すると65%前後です。

個別相談会に来る時点である程度真剣に考えているということもありますが、「概要をつかむ」という最初のハードルを個別相談会でクリアできることも非常に大きいのかなと思っています。

また、boardの概要や基本的な設計思想を理解した上で使うと、より有効に活用できるので、おそらく継続率にもプラスになるんじゃないかなと思っています。

問い合わせだけではわからないことを把握できる

業務課題や困っていること、システム導入におけるポイントなどを直接聞いたりディスカッションしたりすることができます。
話した結果、実はあまり重要ではなかったり、ちょっとした工夫で改善できることも多く、要望や課題が、必ずしも額面通りとは限らないのため非常に重要だと思います。

今後の開発のヒントになる

元々、コンサルっぽい仕事をしていたり、受託でもわりとお客さんの方にがっつり足を踏み込むスタンスでやることが多いので、こういった話からニーズや課題を拾って解決策を考えていくのが好きで、それを今後のロードマップに反映していくといったことをやっています。

お互いを少しは知ることができる

僕個人としては、ずっと受託をやってきた人間なので、やはり顔を合わせずにずっと仕事をするというのは、なんか違和感があります。
低価格なサービスなので、全員に会っていたらそれだけで赤字になってしまうので無理ですが、できるだけ面と向かう機会を作りたい、1時間しっかり話す機会を作りたいという思いはあります。

それによって、どういう人か、どういう会社かを把握できるので、チャットサポート時の説明の仕方を調整したりしています。

また、表現が非常に難しいのですが、問い合わせが雑な方は少なからずいるのですが、個別相談会参加後は、丁寧になったり、無茶なことを言ってこなくなるといったことがよくあるので、お互い少しでも知っているということは大事だなと感じています。


個別相談会の課題

体制

個別相談会の申し込みの際に簡単なアンケートをお願いして、事前にある程度はどういう業態なのかを把握できるようにしていますが、それでも蓋を開けてみないと、どういう内容になるかわからないことが多いです。

今のところ必ず僕が参加しているので問題ないですが、単にデモにとどまらず様々な話になることが多く、結果的に扱うテーマが広くなります。今のクオリティを維持しようとすると、簡単に代わりができないので、開催数をなかなか増やすことができません。

オンラインの場合の快適さ

個別相談会は、弊社にご来社頂くか、Googleハングアウトを使ってオンラインで実施していますが、オンラインは、相手側の環境によって快適さがかなり左右されてしまいます。

度々切れてしまったり、音が割れて聞き取れなかったり、そういったトラブルはそこそこあり、もう少しどうにかならないかなあと考えています。

 

まとめ

boardは、マーケティングコスト(広告費などだけではなく社内のリソースとしても)をほぼかけていないのですが、個別相談会にはしっかり時間を割くようにしています。

有料への転換率を高める施策というのは色々あると思いますが、そういった色々な手は打たず、基本的に、個別相談会への参加を勧め、直接顔を合わせて話をするということを大事にしています。

小さい無名の受託会社がサービスを伸ばすにあたって、他と同じことをやっていてもダメで、自分たちの強み(受託の経験)を活かすことを考えた時に、個別相談会で対面して、課題を聞きながら説明していく、というのはぴったりでした。

受託で業務系のシステムをずっとやってきたので、それで増えた引き出しが役に立ってるなあと思います。

 

競合ではなくユーザと業務の現場をみてサービス開発する

昨年ぐらいから、「◯◯さん、ものすごくboardを意識して、調査しているらしいですよ。やっぱり競合として意識しているんですか」みたいなことを言われることが増えました。

2年ほど前までは、競合ではない分野のB2BのSaaSの人たちから、「開発ロードマップの公開」「即レスのチャットサポート」「サポートの回答時間の公開」などの取り組みに興味を持って頂いて、「真似させてもらいます!」みたいなことを言われることはあったのですが、ここ1年ほど、明確に「競合」という言葉が出てくるようになって、ようやくそういう土俵に上がるようになってきたのかなあと思ってたりします。
たぶん2年前は存在を認識されていないw

最近、飛ぶ鳥を落とす勢いの某サービスの人から、「競合さんが、サポートに根掘り葉掘り仕様の質問をしてくる」という話を聞いて「なんだかなあ」と思ったのもあったので、自分の考え・スタンスを書いてみました。

競合はほとんど見ていない

boardの開発にあたっては、競合サービスはほとんど見ていません。

boardの場合、競合が請求書サービスなのか販売管理システムなのか微妙なところですが、多くの人は、「請求書」を入口にサービスを探しているようなので、たぶん競合は請求書サービスなんだと思います。

ちなみに、いくつかの請求書サービスのアカウントは持っていますが、元々boardを開発する前はそれらを使おうと思っていたので、その時に作成しました。

なぜほとんど見ないかというと、実際それらのサービスが自分が求めているものであればboardは作っていないですし、欲しいものと違った(自分自身の課題は解決できなかった)からboardを作り始めたわけです。

なので、他のサービスを見て真似していたらダメだし、影響を受けてブレてしまうのが怖い。

boardはboard。

他のサービスがどういう機能を追加していようがあまり関係ないことかなと思っています。

思想のないツギハギでは使い勝手が悪いわけで、同じ課題に対してでも、boardのアプローチと他のサービスのアプローチは異なります。

であれば、あまり競合を見る意味もないですし、その時間はコードを書いてたいという感じです。

大事にしているのは機能の有無ではなく世界観・居心地・体験

同じ分野の業務システムを作っていると、最終的にはある程度同じ機能をカバーするようになってきます。

そうすると差別化要因は機能の有無ではなく、そのサービスを通してどういったことを実現しているか、という点だと思っています。

例えばboardは、「クラウド上で請求書を作ること」が実現したいことではありません。

すごく曖昧なのですが、単に機能ということではなく、解決しようとしている課題や、サポート・開発・運用のスタンスなどを含め、「boardの世界観」みたいなものを大事にしている感じです。それは真似するものではなく、自分たちで作り上げていくもの。

とある人に要望をもらった際に、「boardの"適度な自動化と適度なゆるさ"を考えるとこんな感じじゃないですか」って言われてすごく嬉しくなりました。boardが目指しているものが伝わっているような気がして。


ターゲットとするユーザ・課題を明確にして、そこを見て開発する

boardは、ある程度業態を絞って、そこに最適化することで、機能的にも使い勝手的にもフィットする人にはものすごくフィットする、というサービスを目指しています。

それは汎用的でマスを狙った請求書サービスや販売管理システムとは別の方向だと思っているので、競合サービスを見ても、そういったものは出来上がってきません。

「競合が実装している機能 = boardユーザにとってニーズがある機能」とも限りません。派手な機能をリリースして注目を集めたけど、実際ユーザはあまり使っていないという話も聞いたりします。

ユーザのニーズは現場にしかないし、ユーザの不満・不便はユーザからしか吸い上げられないと思っています。

それは、アンケートとかそういった形式的な手法によるものではなく、サポート等を通じて直接肌で感じるべきで、そのために、僕自身がずっとサポートをやっています。

これまで1〜2週間に1回程度のリリースを繰り返してきていますが、その多くは、サポートの中で出てきた要望やアイデアです。

そして自分自身もターゲットユーザなので、ドッグフーディングしながら実装に落とし込んでいきます。

「この機能は失敗した。作り直したい」「この機能不要だった」と思ったことや、ユーザさんから「使いにくい」「業務と合っていない」と言われることなどは、この3年間ほとんどありませんでした。

それはこういう取り組みの成果なのかなと思っています。

まとめ

抽象的は話になってしまっていますが、「他のサービスよりちょっと使い勝手が良いもの」を作りたいわけではなく、既存のサービスでは解決できなかった問題を解決したいと思ってサービス開発をしています。

そのためには、ユーザや現場の業務と向き合うことが大事なんじゃないかなと思っています。

 

あと、完全に個人的な意見ですが、いち作り手として、真似して作るのは面白くないですよね。

オフィスにAkerunを導入&HappyPrintersでAkerun用オリジナルカードを制作

新オフィスに移転してから、Akerunを導入して、Akerun用のオリジナルのICカードを制作してみました。

 

ちなみに新オフィスはこんな感じ。

tamukai.blog.velc.jp

 

Akerunとは

Akerunは、後付けで、自動ロックや入退出管理ができるシステムです。

本格的な入退出管理の仕組みと違って工事不要で、月額9,500円(執筆時点)で導入できます。

SuicaなどのICカードやスマホで解錠できたり、管理画面で入退出のログなどをみることができます。

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設置も簡単で、30分ほどでできました。

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ちなみに一人の時に設置作業してたのですが、オートロックをONにするとドキドキします。(普通の鍵も持っていればいいだけの話ですが・・・)

Akerunを導入した理由

受託をやっていると、取引先からセキュリティチェックシートの記入を求められることがあります。

その中でよく聞かれるのが「入退出管理をやっているか」という点。

小さい会社なので、人の出入りは全部見えていますし大げさかなあと思っていましたが、オートロックやログが残るのが良いなと思い、移転をきっかけに導入することにしました。

同じようなスマートロックは他にもありますが、実は比較検討はしていません。

こういうものは、身近で使っている人がいて、「運用上支障はないか」という点が大事かなと思ったので、SmartHRを運営しているKUFUさんが使っていたので使用感などを聞いて、問題なさそうでしたのでAkerunに決めました。

Akerunを設置した場所

うちのオフィスは、1フロア1テナントのビルで、エレベータを降りたらすぐに受付でそこから専有エリアになるため、ビルの入口でセキュリティをかけるとエレベータがとまらなくなるという仕組みになっています。

エレベータを降りると会議室やトイレがあるエリアになっていて、それとは別の空間として、鍵がかけられる執務エリアがあります。

そのため、Akerunは、外からのドアに設置しているのではなく、執務エリアに入るところに設置しています。

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執務エリア外に会議室やトイレがあるので、ここは1日何度も出入りします。

ICカードを使うか、スマホを使うか

Akerunは、ICカードやスマホアプリから解錠することができます。

全員両方準備して、好きな方を使うという形で運用をスタートしてみたのですが、うちの場合、全員ICカードになりました。

前述の通り、よく出入りするドアなので、スマホアプリの場合、アプリを起動しないといけないので、その分少し手間取ってしまいます。

そのため、結局みんなすぐに取り出せるICカードになりました。

オリジナルICカードを作る

ICカードは、SuicaやPASMOといった交通系カードを使うことができるので、最初は手持ちのSuicaなどで運用してみました。

ただ、普段パスケースを使っていなくて財布に入れている人は、常に財布を持ち歩くのも邪魔ですし、カードだけ出すのだと忘れそう。

なので、首から下げたいけど、SuicaやPASMOを首から下げているのもなあということで、希望者のみ、オリジナルのカードを作ることにしました。

 

まず、下記のような真っ白のICカードが売っているのでそれを購入します。

これにシールを貼っても良いのですが、シールだと古くなるとボロボロになってしまうので、直接印刷したいなと思い、こういう時はHappyPrintersさん。

 

こんな感じで直接印刷できます。

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HappyPrintersだと、数が少なくても作れるのがいいですね。

うちの場合、オリジナルカードを使っているのは7人中4人ですが、そのくらいでも気軽に作れるので助かります。

Akerunを導入して1ヶ月が経過して

今のところ問題なく快適に運用できています。

最初の頃は、毎回カードをかざすのがちょっと面倒かなという気もしたのですが、慣れてしまえば全然気になりません。

オートロックなので鍵の閉め忘れの心配もないです。

また、清掃会社用にカードを渡しているのですが、清掃が入る曜日・時間帯のみに限定できたり、ログで確認できるので、不正利用の心配も減ります。 

 

ちなみに、カードをかざしてからの反応スピードは、大手のオフィスで使われているようなものに比べると遅い気がしますが、実運用上、特に問題はないです。

もう少し速くなるとより快適だなという感じです。

boardにおける要望の管理・開発の優先順位付けで取り組んでいること

開発の優先順位付け、難しいですよね。

ユーザの方からは日々多くの要望を頂きます。現時点でリストには500以上。
機能が足りなくて困っているケースもあれば、検討段階で「○○があれば使う」という導入判断になるケースもあります。
また、「以前要望した○○はまだですか」なんて言われることもあります。(やるとは言っていないのですが・・・)

もちろん要望以外に、そもそもboardとして実装したいと考えている機能もあります。

これらすべてを対応するのは無理ですし、それをやったら、機能てんこ盛りで、使い勝手の悪いシステムになってしまいます。

そのため優先順位を付けて取捨選択していく必要がありますが、これが色々な要素が絡んで難しい。

既存ユーザの方で機能が足りなくて困っている場合は、それによって満足度が落ちてしまうし、最悪boardから離れてしまうかもしれない。

検討中の方の場合は、それが理由でboardを使わないという判断になるかもしれない。

以前要望出したのに対応されないと不満が募るかもしれない。

でも要望ばかり対応していたら、boardとして搭載したい機能の開発ができない。

基本的に不安との葛藤な気がしますが、そんな中でどうやって整理していっているかを紹介したいと思います。

 

要望は全てTrelloで管理

要望は全てTrelloで管理しています。要望の数が多いので、Trello上で細かく分類します。

開発前のものを以下のように分類して、右側に行くほど対応が近い・優先度が高いものになります。

 

アイデアの種→アイデア(低)→アイデア(高)→要件検討中→開発準備OK→次開発予定

 

新規の要望をもらうと、このうちのどれかに入れます。

また、既存の要望の場合は、そのタイミングで、その位置で良いのか、優先度を上げるかを都度判断していきます。

 

boardでは問い合わせ管理の仕組みとしてintercomを使用しています。

intercomでは問い合わせごとにスレッドになっていて、それぞれURLがあるので、Trelloにintercomの該当の問い合わせのURLも一緒に記入し、後からそのやり取りを確認できるようにしています。

 

基本的な方針

まず大前提の方針として、「ターゲットがぶれないようにする」というのを気をつけています。

boardの場合、

・業種は幅広いですが、ビジネスモデルとして受託型に最適化

・中小規模の会社がターゲットで、数人〜数十人規模がメイン

としています。

規模が大きいところまで広げていけば単価は上がりますし、より多くのビジネスモデルをサポートしていけば、より多くの会社に使ってもらえるかもしれません。

ただ、これがぶれてしまうと、誰にとっても中途半端な使い勝手になってしまうので、この方針をぶらさないようにしています。

 

優先順位付けで気をつけていること

現在は以下のようなルールでやっています。

自分がプロダクトオーナーとして一貫して意思決定をする

サービスのコンセプトがぶれないように、意思決定の一貫性は非常に大事だと思っています。当然社内でも使っているので、他のメンバーから意見をもらったり議論することはありますが、最終的には、自分が全体のバランス・一貫性を踏まえて決定するようにしています。

知り合いや有名な会社の要望に流されない

知り合いや有名な会社からの要望は、どうしても影響を受けがちです。しかし、必ずしもそれが正しいとは限らないですので、優先順位の判断で影響を受けないように、要望を管理しているTrello上では会社名はわからないようにしています。

ロードマップを半年ごとにし、その枠に収まるものを取捨選択する

ロードマップは公開する以上、ある程度は守らないといけないので、無理に詰め込むようなことはしません。そのため、ロードマップを決める過程はわりと保守的になるので、この段階で、無駄が削ぎ落とされます。

既存機能の改善、要望対応、新機能追加をバランスよく対応する

既存機能で不足している点や使いにくい点の改善、要望の対応、全く新しい機能の追加をバランスよく対応するようにしています。

既存機能の改善や要望対応は、既存のユーザ満足度の向上に繋がり、継続して利用して頂くという点でプラスになると思っています。

全く新しい機能の追加は、既存ユーザさんだけでなく、これまで機能が足りずに利用を控えていた見込みユーザが使ってくれるきっかけになるかもしれません。

そのため、どれかに偏るのではなく、バランスよく対応していくようにしています。

整理のための質問

以下のようなものを自問自答します。

・この機能は本当に必要か
・どのくらいの人が使うか
・業務上不可欠なものか、それともあったら便利か
・単なる習慣による要望で、実はなくても問題ないものではないか

全てに当てはまらないと対応しないというわけではありませんが、特に要望が多くて対応しようと思ったものに対して、「あれ、これ実はあまり必要ないんじゃない?」と気づくきっかけになります。

要望の多さと優先順位

要望の多さはニーズの多さでもあるので、ある程度優先順位には反映させるようにしています。ただしboardの思想・方向性的にずれているものは、どれだけ要望が多くても対応しないようにしています。

何度か、サービスをやっている人から「要望の多さと優先順位を連動させるのは違うんじゃない?」と言われたことがあるのですが、業務システムの場合、取引先との関係で、業務上避けられないものなども多数存在します。

使い勝手やUIなど、主観が多分に入っている要望は別ですが、業務的なニーズの場合は、要望の多さは重要な判断材料のひとつにしています。

ロードマップに沿う

・「○○ができないなんて考えられない」「○○は至急対応してほしい」といった大きい声や、「○○があれば使う」といった声に流されないようにするため、原則、半年単位で公開しているロードマップにないものは次のスパン以降での検討にするようにしています。

ちなみに、ロードマップになくても、元々「要望があれば対応しよう」と考えていたものは、要望があればすぐに対応したりもしてます。


こういったルールを決めてからは、だいぶ流されなくなりました。

一応誤解のないように言っておくと、ユーザさんの声には耳を傾けるべきですので、頂いた要望はすべてTrelloで管理し、1〜2ヶ月に1回はすべて見返しています。

ただ、短期的なスパンでは影響されないようにすることは大事かなと思っています。

 

最初の1年目はぜんぜん違うスタンスだった

現在は、ある程度機能も揃ってきていて、以前に比べたら、「○○がないと・・・」というものはかなり減りました。そういった背景もあり、上記のようなルールで運用しています。

しかし1年目は全く違うスタンスでした。

要望の数自体も少なかったので、要望が多いものはどんどんと対応していました。

ただ、その中で大事にしていたのは、「自分自身がその機能を欲しいか」という点です。

これは、そもそも自分のために作り始めたという背景があったり、自分自身もターゲットユーザだったりしたので、その感覚を大事にしていました。自社サービスの経験がなかったので、これを拠り所にしていた感じです。

また、基本的な方針として、「派手な新機能よりも、基本的に既存機能の完成度の向上と、コア機能に関連する業務的に不足しているものの対応」というものがありました。

これは、うちが知名度の低い無名のベンチャーだったことがかなり影響しています。

無名の会社・サービスにとって、「知ってもらうこと」「お試ししてもらうこと」のハードルはものすごく高いです。
1週間で何日も新規お試し登録が0件の日がありました。

そんな状況の中で、お試ししてくれた方を逃がす余裕なんてないんですよね。
なので、お試ししてくれた方に出来る限りそのまま有料へ転換して欲しい。そのためには、とにかく今ある機能の完成度を高めておくこと、まずはターゲットにしている業界・会社規模を絞って、そこでの業務がしっかりカバーできていること、そこを目指しました。

たぶん、それが功を奏して、「要望の対応が速い」と言ってboardを推してくれたり、「受託の会社にとってはものすごくフィットする」といって紹介してくれたり。

boardは当時から今でも、口コミに支えられているのですが、その土台は、最初の1年目のそういったスタンスによる取り組みの効果が大きかったのではないかなという気がしています。

ちなみにこのスタンスの弊害は、リリース内容が非常に地味です。何度「もう少し記事に取り上げられるようなリリースないんですか」と言われたことか・・・。
でも、記事に取り上げて頂くようなリリースをするよりも、目の前のユーザさんをターゲットに開発することを選びました。

*そういった中でがっつり記事を書いてくれたASCIIさんにはほんと感謝しかありません。


1年目のスタンスから今の運用ルールに至った経緯

1年目のそういったスタンスから、前述の現在のルールに至った経緯は、最低限の基本的な部分はカバーできたことが大きいですが、自分自身が慣れてきたという点もあります。

ずっと受託をやってきた人間からすると、多くの顔を合わせたことのない方々から様々な要望が来て、時には「これがないなんてありえない」と言われる経験ってあまりに不慣れで、だいぶ動揺しますよね・・・。

開発ロードマップの公開はかなり初期の頃からやっていましたが、この頃から、「半年単位」という今のスタンスができました。

ちなみに、今でも、「自分自身がその機能を欲しいか」という視点は大事にしています。
さすがに最近は、自社で業務的に必要がない機能も出てきているので、そういうケースは、「その機能に納得感があるか」という視点で見るようにしています。自分が納得しない機能は要望が多くても対応しないようにしています。


実装とのバランス

最近ようやくもう一人開発に入っていますが、それまでの約2年半は、受託の合間にちょっと手伝ってもらう以外は、ほぼ自分一人で開発してきました。

プロダクトオーナーと開発者が同じなので、実装レベルまで完全に頭に入った中で優先順位を考えます。

そのため、機能の対応順番を考える時に、単純な機能の優先順位だけでなく、コードのレベルで考えて、効率が良い、バグを生みにくい順番を考えています。

受託をやっていて、「あー、この仕様、前回の開発の時に一緒に言っててくれれば・・・」なんてことあったりしますよね。
できるだけお客さんと話をしてそういったことを減らせるように取り組んでいますが、今後の予定や構想が全部こちらに伝わっているわけではないので、なかなか難しいんですよね。

あとは、要望は少なくても、「これあるといいな。しかも簡単にできるし」みたいなものは空き時間にさくっとやったり。で、それが意外と好評だったり。

こういったことができるのは、エンジニアがプロダクトオーナーであるケースの強みなのかなと思います。


まとめ

最終的には、ユーザの声は聞きつつも、声に流されないようにする、という点が非常に大事なのかなと思っています。

気持ちの面で戦わないといけない部分もありますが、ロードマップの公開のような仕組みによって、短期的には影響を受けにくくするのも、安定した開発・運営には大事な気がします。

 

1Password Teamsを使ったパスワード管理・運用

うちの会社では、1Password Teamsを使ってパスワードを管理しているので、その運用を紹介したいと思います。


ヴェルクにおけるパスワードの運用ルール

まずはじめに、うちの会社でのパスワードの運用ルールについて。

6年前の起業当初から、以下のようなルールで運用しています。

・パスワードは14桁以上のランダムなもの(当初は桁数は10桁以上でしたが途中から14桁に変更)
・パスワードの使い回しは禁止で全てにおいて異なるものを使用
・パスワードの生成・管理は全て1Passwordで
・2段階認証が使えるものはすべて2段階認証をON

 

パスワードの使い回し禁止は、最近はよく言われるようになってきましたが、それでも一般的にはまだまだなのかなあという印象なので、この記事などをご参考に。

www.motex.co.jp

 なお、これを守らず、こっそり簡単なパスワードを設定する、といった事はできてしまうため、そこは日々のセキュリティに対する意識付けが重要かなと思います。

また、基本的に1Passwordを使ったパスワード管理が快適すぎるので、むしろ1Passwordを使わない方が面倒な気はします・・・。


1Password Teamsとは

1Passwordというパスワード管理ツールに、チーム機能が備わったものです。主に企業利用を想定した機能になっていて、管理者がアクセス権の管理などができます。

管理したい単位(例:プロジェクトごと)にVault(パスワード保管庫)を作成し、それごとにアクセスできるユーザを設定することでパスワードを共有することができます。また、退職した場合はアカウントを停止したり、担当が変わったケースなどでアクセスを止めたい場合は、Vaultへのアクセス権を外すといった管理ができます。

個人ごとのアカウントがあるようなサービスはパスワード共有はしませんが、1ユーザしか登録できないようなサービスや、サーバのパスワードなどを共有するのに使用しています。


1Password Teamsを使った運用

受託案件ごとにVaultを作成し、関係するメンバーのみアクセスできるように設定しています。AWSのアカウントなどは個人ごとにユーザを追加するので、それは「個人」Vaultでそれぞれで管理し共有はしません。共有する情報はサーバ関連のパスワードなどがメインです。

このように案件ごとにVaultを分けることで、アクセスできる範囲を限定できますし、途中から入ったメンバーへの共有も安全でスムーズです。

場合によっては1案件で複数のVaultを作ることもあります。
例えば自社サービスのboardの場合は、「管理者用」「開発者用」「サポート用」に分かれており、本番環境など重要な情報へのアクセス情報は、「管理者用」のVaultにしか登録していません。

ちなみに1点だけ課題があって、まだWindows版が基本的に対応が遅れていて、少し前にベータ版がようやく出たという状況です。


その他のメリット

「Activity Log」で誰が何を更新したといったことが記録されています。

使ったことはないのですが、「Guests」という機能で、外部の人にセキュアに情報を共有できるみたいです。
この記事を書くのに管理画面を見ていて気づきました。これ結構便利なのでは。


1Passwordのマスタパスワードを忘れたら・・・

ユーザに「Recovery」権限というものを付けることができるので、この機能を持っているユーザは緊急時に他のユーザのパスワードをリセットすることができます。

また、管理者ユーザのパスワードがわからなくなった場合、「Emergency Kit」というのがあります。緊急時の解除用のコード等のリカバリ方法が書かれているものなのですが、なんと、「紙で安全な場所に保存していく」ことを推奨されています。

物理的にPCや1Passwordとは全く別の場所で保管することで、リスクを分散する仕組みのようです。

ということで、うちの会社では、この機会に、ちゃんとした金庫を買いました。
もともと買おうかなと思っていたのですが、安全にしまっておけて、かつ火事でも燃えない。


参考:1Password Teams以前の運用

1Password Teamsは、わりと最近出たサービスで、以前は、1Password単体で使用していました。その時は、Dropboxを使って共有していました。

1PasswordはVaultファイルをDropbox上に置くことができるので、社内で共有するためのDropboxのディレクトリを用意し、Valut作成時に保存先をDropboxに保存します。

Vaultにはパスワードを設定できるので、そのパスワードをVaultを共有したいメンバーのみに共有していました。

この運用をやり始めた頃(5〜6年前)はかなり不安定で、パスワードを追加しても、他の人の1Passwordには反映されないという状況でしたが、途中からは安定して運用できていました。

ただ、Teamsが出たため、ベータ版の頃からすぐにそちらに切り替えました。


まとめ

昨今のセキュリティリスクの増大に伴って、パスワード管理の重要性はどんどんと高くなってきています。

パスワード管理ツールはぜひともオススメしたいのですが、企業利用の場合は、Teamsを使った運用かなりオススメです。

 

ちなみに、パスワード管理ツールは、LastPassなど他にも色々とありますが、昔から1Passwordを使っていたためその流れで1Password Teamsを使っています。他との比較をしているわけではないです。

 

受託開発の会社から、自社サービスを持つ会社への過渡期における課題

約2年半前から旧ブログで、boardのベータリリース時からの取り組みやうまくいかないことなどを色々と書いてきましたが、この2年半でなんとかboardを軌道に乗せることができて、ずっと書いてきた「受託と自社サービスの両立」が、口だけで終わらずにすみそうです。

board事業自体はまずまず順調なわけですが、昨年後半ぐらいから、会社として過渡期だなあと感じているので、受託の会社から自社サービスを持つ会社への過渡期における課題を書いてみたいと思います。

 

売上の上がり方と採用

僕自身、ずっと受託畑なので、当然ですが、経営者としても受託脳です。

ただ、受託の数字の上がり方とサービスの売上の上がり方ってぜんぜん違うんですよね。

受託は単発ですがある程度まとまった金額を短期間に上げることができます。一方サービスは、継続的に売上が上がるものの、まとまった金額になるまでに時間がかかります。

この違い、当然頭ではわかっていたんですが、最近、採用面ですごく痛感するようになりました。

サービスって、受託に比べると、メンバーが増えても急には売上増えないんですよね。少なくとも受託のような上がり方はしない。

特にboardのように、基本的に営業活動をしていないでインバウンドのみの場合、短期的には、社内のメンバーが増えたところで、ユーザの流入数が増えるわけではありません。

当たり前なんですが、ここが受託と大きく違うところで、受託の場合、仕事さえ取れれば、ある程度、人数に比例して売上を上げることができます。

自分としては、この考えが染み付いているので、サービスで人を採用すると考えた場合、ものすごく先行投資で判断が難しい。

特にうちの場合、受託で稼いだお金でなんとかやりくりして自社サービスの開発をしています。

受託側の負担を増やさないためには、サービスの売上でカバーできる範囲で採用していくことになるのですが、そうすると、そのスピートというのは、受託に比べたらかなりゆっくりなわけです。特にBtoBのサービスだと爆発するような伸びはなかなか難しい。

サービスは順調に伸びているのになかなか人を増やせない、というのは、そもそも応募が少ないのもありますが、自分の中での課題として、こういった背景もあるなあと思ってます。

 

自分が受託から抜けること

これは2年前から徐々に準備してきました。
2年前は受託の新規案件の「開発」から抜ける。そして昨年は新規案件には極力入らない。

この取り組み自体はある程度はうまくいっているのですが、それでも営業段階ではかなり動いていましたし、昔から担当している案件はずっと担当したままですので、完全に手が離れたわけではありません。
ただ、boardの有料アカウントが500社を超えた辺りから、問い合わせ対応にかなり時間が取られるようになり、物理的に受託側に入れない状況になりつつあります。特に12月以降は、日中はほぼサポート業務にかかりっきり。

CSの採用ができればだいぶ状況は違うのですが、今のところまだ一人で対応しているので・・・。

そういう状況のため、今年は、「田向抜きでの受託とそこで必要な売上を上げる」という取り組み中で、かなりチャレンジングです。わずか8人の会社で、営業面でも開発面でも中心だった人が抜けることになるので、1人分以上の穴が空くことになります。

開発という点では、みんなに任せていても問題はないですが、やはり営業の口が減るのはリスキーですね。ここはあまり段階的に進めてきておらず、わりと一気に体制を変更してみたところです。

起業して以来、「受託のベンチャーでエンジニア社長が現場から抜けるのはすごく大変だよ」って色々な人から言われましたが、これは営業面が一番大きいなあと感じています。

受託をやりながらサービスを作っていくというスタンスの大前提は、受託の安定だと思っています。ここが揺らぐと自社サービスどころではなくなってしまう。安定を保ちつつ、うまく体制をシフトしていく。ここが今年の課題です。

 

エンジニア以外の分野の採用と体制づくり

エンジニアや受託のことであれば、10年以上やってきていることですし、リスクなども含めて色々と想像できるし対応もできます。ただ、他の分野については完全に試行錯誤です。

現時点でCSの専門メンバーを採用できていないのがまさにその失敗の一番の例で、本来は昨年のうちにCS専門メンバーに入れて、CSチームを立ち上げ、自分の手から離れるようにしておく必要があったなと。
500社を超えた時の問い合わせ対応をイメージできていなかったのと、なんとかなるかなという気持ちもあったり。

そのため、自分が専門ではない分野については、やはり完全に任せられる人を採用しないとダメだなと感じています。

それは単に仕事を任せられるというだけでなく、今後の成長過程で、チームを作っていける人。例えばCSであればCSチームの構築を任せられる人ですね。

受託をやりながらB2Bのサービスをやっていると、地味なので、露出の機会も少ないですし、知名度も低い。エンジニアの採用でも苦労しているのに、専門外のCSやマーケティングなど他の分野はなおさらハードルが高いです。

ただ、今後さらにサービスを伸ばしていくためには、CSやマーケティングなどこれまで社内に専門メンバーがいなかった領域の体制を整えていく必要があるなと感じています。


まとめ

課題感として一番大きいのは、やはり採用における先行投資の度合いが受託に比べて大きいという点ですね。

ここは、自分自身が、そろそろ受託の会社という思考・体制から変わっていかないといけないのかなという感じがしています。

DIYでオフィスの内装をいい感じに作ったので作り方をまとめました

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1/14に市ヶ谷からから九段南に移転して、前回同様、DIYでオフィスの内装を作りました。

3年前に市ヶ谷に移転した際には「もうDIYはやらずに次は内装工事頼もう」って思ってましたが、数百万単位でかかってしまうため、やっぱりDIYしました。

ちなみに、かかったコストは50万円ほど。

 

作っている途中の写真などもこまめに撮っておいたので、全行程まとめました。

かなり長文です・・・。

 

移転の理由・目的

市ヶ谷の旧オフィスは、市ヶ谷駅近くで、かなりしっかりしたビルできれいなのに坪単価1万円という神物件だったので、もっと長くいたかったのですが、いくつかの点でより良い環境にすべく移転することにしました。

・現在うちの会社は8人なのですが、旧オフィスだとやや手狭になりつつあって、あと2人入るのは厳しいなあという感じでした。

・旧オフィスは、執務スペースと会議スペースあって、それ以外のフリースペース的なものはありませんでした。
そのため、息抜きとか気分転換が難しく、気分が乗らない時になかなか難しい環境でした。

・もう一つの大きな理由が、会議室。
旧オフィスは、完全に区切られた会議室ではなく、本棚とパーティションで仕切った会議スペースがあるだけでした。

boardの個別相談会で来て頂くことが増えてきていて、そういう時に、会議スペースだと話しにくいのと、やっぱり「小さい会社」という印象が強くて不安にさせてしまうかなあというのが気になっていました。

そういうことで、オフィス探しを始めました。

 

ちなみに、オフィス選びの絶対条件は、「トイレは男女別で、執務スペースの外にある」でした。

これは市ヶ谷の旧オフィスを探した時にも同様だったのですが、小さいオフィスだとこれが結構ネックになるんですよね。

なので、時間がかかる可能性があったので、手狭になる前に探し始めました。

 

広くなったので、エンジニア募集中です!

とりあえずオフィス見学したい、軽く話を聞きたいでも大丈夫ですのでお気軽にご連絡ください!

 

新オフィスの概要

新オフィスは、受付・会議室はすでにあって、内装もきれいになっていたので、そのままでも悪くありませんでした。
*ちなみに居抜きではなく、会議室などを作ってデザインして貸し出すという物件でした 

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こんな感じで、特に受付・会議室周りはきれいなので、それは活かしつつ、執務スペース側を中心にDIYすることにしました。

 

最初のレイアウト案

もらった図面をベースに、最初に作った案がこれです。 

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20人ほどは入れるスペースに8人なので、かなり贅沢に空間を使っています。
全体を執務スペース(中央)・フリースペース(左)・バーカウンター(手前)の3つのエリアに分けています。

別空間になるように、フリースペース側は緑のカーペット、バーカウンター側は少し床を高くするというイメージです。

この案を作ったのはうちの社員なのですが、僕のイメージとほぼ合っていたので方向性はこれで決まり。わりとスムーズに決まりました。

 

サンプルの取り寄せ

サンプルの取り寄せは非常に大事です。写真で見るのと実物では結構色合いが違ったりします。

今回は、以下のサンプルを取り寄せました。
・壁紙
・OAフロア用カーペット
・床材用の板

写真で見た感じだとちょっと違うかなと言うものでも同系色はとりあえずサンプル取り寄せて確認してみた方がよいです。

 

工具の準備

電動ドリルは必須ですね。今回これを購入しました。

ヘッド部分を変えることで、ドリル・インパクトドライバー・丸ノコ・サンダーなどが使えます。

丸ノコは強力でしたね。

「丸ノコ危ないから気をつけた方がいいよ。ちゃんとやり方確認して」って何人もの人に言われて、危ないなら使うのをやめようかと思ったのですが、使わざるを得ない状況だったのと、このセットの丸ノコは簡易的なもので、結構手軽に扱えるものだったみたいです。

今回は丸ノコなかったらできていないものが結構ありました。

 

では、具体的な内容を紹介していきます。

ちなみに、移転は1/14でしたが、部屋の契約は12/1からで、12月を中心に週一くらいでDIY作業に来ていました。

12/1以降に新オフィスの方に荷物が届くように、11月後半に色々と物を購入。届いたものから作業していきます。

 

床下配線

後からやると大変なので最初は床下配線から。

僕の自宅のご近所さんが電気工事の会社をやっている方なので、旧オフィス同様、その方にお願いしました。

最初に見積もりをとった内装工事の会社さんよりもだいぶ安い金額で助かりました。


カーペット張替え

最初はカーペットの張り替えから。
フリースペースエリアをグリーンにします。色を変えることで別空間にするイメージです。

「OAカーペットの張替えなら重くないし女性陣にやってもらおう」ってことでそういう役割分担にしたのですが、OAカーペットってまとまるとそこそこな重さだし、これをたくさん張り替えていくのって重労働だったみたいです。ごめん・・・。

OAフロア用のカーペットはサイズが決まっていて、10枚単位で購入できます。今回は、ここで購入しました。


また、OAフロアのカーペットは簡単に剥がせますが、ずれないようにカーペット用の糊が付いています。

元々の糊が残っているので、張替えにあたって糊を再度付ける必要はなさそうでだったので、簡易的な「タイルカーペット用補助接着剤」を購入しました。

*ちなみにこの補助剤もほとんど必要なく、大量に余りました・・・。

 

一部アクセントとして濃い色を配置するので、まずは上に置いてみて、配置を決めます。

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カーペットには向きがあるので、交互にやっていくそうです。

今回の部屋はきれいな正方形ではなく、少し斜めになっているため、壁側のカーペットを切っていかないといけません。

そこで「電動カッター」を購入。

確かに切れるんですが、とにかく遅い・・・。これは必要なかったかも・・・。

 

そして完成!

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色のバランス(たまに濃い緑)がどうなるかなと思ったけど、結構いい感じになりました。

ちなみに、「たまに濃い緑を入れる」案を出した本人は、張り替え始めた時に、「あれ?イマイチ?」と思って内心焦ってたらしいですw

 

こうやってカーペットの色を変えるだけで別空間のイメージになるので、お手軽ですし、それほどコストがかからないのでオススメです。

 

壁紙を貼る

前回のオフィスでも壁紙を貼っているので今回は2回目。全然やり方は覚えていませんでしたが、やり始めるとだんだんと思い出してきました。

ちなみに、旧オフィスは柄付きだったので壁紙でしたが、今回は単色なので、「塗り」でも良かった気がします。

 

壁紙は2箇所。
1つは受付の壁をヴェルクカラーに。もう1つは、バーカウンターの後ろを黒に。

壁紙は「壁紙本舗」さんで「のり付き」の壁紙を購入します。また、壁紙貼りに必要な施工道具一式も売っているのでそれも合わせて購入します。

 

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壁紙貼りのやり方を見ていると、1人でやる方法で説明されているので、意外と1人でできます。(もちろん2人の方が楽だし綺麗にできる)

今回は、壁紙を縦方向に貼ったので1人でできましたが、横方向だと厳しそう。

壁紙貼りの一番難しいのはつなぎ目です。
最初はどうしても綺麗にできないことが多いので、目立たないところからスタートした方がいいですね。
ちなみに、なぜか一番目立つところからスタートしてしまいました・・・。

上の写真のように、元々あった壁紙の上から貼りました。本来は元々あるものを剥がした方が良いらしいですが、面倒だったので上から貼ってみましたが、特に問題ありませんでした。

 

そして完成です!

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近くでみるとちょっとつなぎ目が気になるのですが、遠目にはいい感じです。

 

木製パーティション

フリースペースと執務スペースを区切る方法として、当初は本棚案だったのですが、本棚だとかなり高さがあるものでないと目線が仕切れないので、木製のパーティションにしました。

ここで便利なのがディアウォール。

市販の2x4材を柱にして、天井でつっぱらせることができるものです。
これを柱として、ここにすのこを付けます。


なぜすのこかというと、安いんですよね。しかも横にすると、柵っぽくなる。これを9枚購入。

柱は天井の高さとディアウォールの厚さを計算して、購入したところでカットしてもらいます。
今回、木材関係は、「okamoku」さんで購入。長さを指定すればカットして送ってくれます。

 

そして、この柱とすのこを塗料で塗ります。

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塗料は「ワトコオイル」を使います。塗った直後と乾いた後で色合いが変わるので難しいですね。薄い場合は重ね塗りをします。

 

あとは柱となる2x4材にディアウォールを付けて天井と床でつっぱらせて立てるだけですが、天井部分に負荷がかかりすぎないように、板を這わせます。

天井がつっぱりの圧力に耐えられそうかは事前に確認した方がいいですね。今回は、ちょっと危なそうだったので、板を這わせて、負荷を分散させます。

 

ちなみに、高さの調整が必要な場合は、ディアウォールにスペーサーが入っているのでそれで調整します。

ただ、今回、ちゃんと測ってカットしてもらう長さを決めたはずなのですが、柱の長さがやや足りず、つっぱりが弱い状態だったので、カットしてもらった際の端材を薄く切ってスペーサー代わりに使いました。
*端材は何かと使えるので、カットしてもらったら、端材も一緒に送ってもらう方が良いです。

 

柱とすのこを付けて、こんな感じになります。

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これを3つならべて完成です。

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 物を引っ掛けられるので、フックで掛けたり、ちょっと棚をつけたり。結構便利です。

執務スペースとフリースペースを仕切ることが目的ですが、視線を感じなくて済むように、高さ・幅をしっかりとります。

すのこを使ったことで、木と木の間に隙間があり、懸念していたほど圧迫感もありませんでした。

 

照明の枠

フリースペースはちょっと雰囲気を変えたいということで、照明器具の周辺を少しデザインします。
*ちなみに、蛍光灯は全て電球色に変更しています。

 

オフィスでよくある感じの蛍光灯の器具なので、その周辺に木の枠を付けます。

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実際に完成してから見てみると、もう少し高さがあっても良かったのかなあという気がしますね。

木材は、あまり重いと天井が抜けそうで怖いので、軽くて安い「ファルカタ材」を使用し、ワトコオイルで塗装しました。

 

ちなみに、照明だけ内装屋さんに依頼してダウンライトなどに変えようかと思ったのですが、やはり100万円以上かかってしまうので、保留にしました。


受付

受付エリアは予めこんな感じで受付台や会社名を掲示するボードがある状態でした。

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ただ、これがあまりしっくりきていなくて、しかも半円になっているためデザインしにくい。だいぶ悩みました。

 

まずは受付右の壁をヴェルクカラーの壁紙を貼ります。これでだいぶ雰囲気が変わります。

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次にエレベータの左右に、こんな感じで、壁紙を使ったスクエアなものを貼りました。

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このアイデアの元ネタは「ファブリックパネル」というものらしいです。ファブリックは布なので、今回は壁紙を使っているので厳密には違いますが、壁紙とセットでいい感じになっています。

100均で購入した発泡スチロールの板をカットし、何枚も重ねて接着し、その上から壁紙を貼って作りました。軽いので、普通の両面テープで付きます。

ちなみに同じものをトイレにも設置しています。

 

最後に受付部分。

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最初付いていたシルバーのボードが気に入らなかったので、それは使わず、天井からポスターパネルを吊るして、シルバーのボードを隠す形で設置しました。

*ちょうどダウンライトが当たって反射してしまうので、写真がうまく撮れない・・・

 

そして受付台。

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賑やかな感じになっていますが、完全に某メンバーの趣味ですね。ちなみに、ほとんど100均の材料でできています。

また、受付のボタンは、以下のような呼び出しボタンが中にはいっていて、それに木箱を被せる形で作りました。

 

受付の左側にはりんご箱を買ってそこに色々と物を配置しています。

そして、受付と執務エリアが完全に分かれたことで、念願の「飛び込み営業お断り」と表示。どのくらい効果あるのかなあ。


木材ブロックとロゴ

黒い壁紙を貼ったエリアに戻ります。ここはバーカウンターの背景になる部分です。

100均で大量に購入した木材ブロックを使います。

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この木材ブロックを3種類の塗料で塗り、両面テープを使って壁に貼ります。

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また、市ヶ谷の旧オフィスで受付にあったロゴをここで再利用します。

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(旧オフィス)

(新オフィス)

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100均の木材ブロックはかなり大量に必要で、毎週のようにダイソーに通っては、「木材ブロック入荷してないですか」って聞いてたらしいですw

しかも、結果的に、量を見誤って、大量に余りました・・・。


バーカウンターエリアの台

物流で使われているパレットを敷き詰め、一段あげます。一段上げることで別空間な感じになります。

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このエリアは柱がありぴったりとパレットを敷き詰めることができないため、「プラスチックパレット+オーダーメイドの木製パレット」の組み合わせにしました。
*ちなみに、プラスチックパレットの方が安いので、木製パレットを最小限にしました

 

パレットを並べて行ったところ、ここで大きな問題が!

 

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木製パレットが入らない!?

オーダーメイドで作ってもらった木製パレットは、木製ということもあり多少誤差があるのですが、それをすっかり忘れていてピッタリサイズで作ってしまい、入りませんでした・・・。

数ミリ大きいという感じです。

厚さがあるので丸ノコでは切れず、数ミリだったので鉋で削ることに!

 

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たぶん、彼は、今後こんなに鉋を使うことはないだろうというくらい、ひたすら鉋で削ってました。ちなみに、ぴったりサイズを発注してしまったのは彼ではなく僕ですw

 

で、なんとか入りました。

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ここに、旧オフィスで使ってた床材(Gロック)を貼るのですが、試しに10枚ほど持ってきて、事前に付け方などを検証しました。

そうしたらところ、プラスチックパレットの上に床材を敷くと、結構音が気になるので、グリーンのカーペットに張替えて不要になった元々のカーペットをプラスチックパレットの上に敷き詰め、その上に床材を敷くようにしました。
こうすることで、音が吸収されいい感じになりました。
*ついでに大量に余ってた、OAカーペットの補助接着剤も使えましたw

 

仕上げは移転日当日、引越し屋さんに旧オフィスから床材も運んでもらったので、3人がかりでひたすら床材を貼っていきます。

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角の部分は、木製のモールディングを買って塗装し、多用途超強力接着剤で、パレット・床材とくっつけます。

ここがちょっと不安なのですが、今のところ剥がれていないです。

 

ちなみに、Gロックという床材は、賃貸でも使えるように上から敷くタイプの製品なのですが、来社した方の多くが本物の木と思ったほど質感はよくできています。

 

バーカウンター

今回のDIYの一番の目玉です。

カラーボックスを本体に使い、上に天板、側面に板を付けて作ります。

 

こんな感じのラフな設計図で本当にちゃんとできるんでしょうか・・・。

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まずは本体となるカラーボックスを組み立てます。カラーボックスはニトリで購入。

カラーボックス連結用に木材を打ち付けます。これには、軽くて安いファルカタ材を使いました。

 

そして、上に天板を付けます。

ちなみにこの天板は結構ちゃんとしたウォールナット材のもので7万円くらいしました。

 

最後に旧オフィスで使っていた床材を側面に貼り付けていきます。

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貼り付けには、多用途超強力接着剤を使用。

 これが結構高いので、そこそこコストかかってます・・・。

 

ここで難しいのは床材の連結部分。どうしても切り口がきれいにならないので、かなり大変だったみたいです。

あと角の処理は、床部分と同様、モールディングを使います。

 

そして、完成です!

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*角のガムテープは、モールディングを超強力接着剤で着くまでに24時間ほどかかるため、1日テープで止めてました

 

冷蔵庫をラッピング 

バーカウンターの中に冷蔵庫を置いているのですが、色が合わず、これがあるだけで、妙に「自宅」感が・・・。

ということで、冷蔵庫を「リアテック」という粘着剤付き装飾シートを貼ります。角はドライヤーで熱を当てて伸ばしながら貼るためかなり暑いです・・・。

参考:貼り方の動画

思いのほか難しいし、暑いし、なかなかツライです。

黒にラッピングしてこんな感じになりました。

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完成!

一通り完成してこんな感じのオフィスになりました!

 

*受付

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*会議室

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*バーカウンター

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*フリースペース

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*執務スペース

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全体の半分をフリースペースやバーカウンターにして、かなり贅沢にスペースを使っています。

経営者的には家賃の増加がなかなか笑えない感じですが、かなりゆったりしていて、非常に居心地が良いです。

また、自席以外にも作業スペースがたくさんあるので、気分が乗らない時に場所を変えて気分転換もできますし、かなり快適なオフィスになりました。

 

家賃は、頑張ってboardを伸ばしていけばいいかなと思っているので、まずは快適なオフィスになって良かった。