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ヴェルク - IT起業の記録

受託開発と自社サービスの両立への取り組み

受託開発の会社から、自社サービスを持つ会社への過渡期における課題

約2年半前から旧ブログで、boardのベータリリース時からの取り組みやうまくいかないことなどを色々と書いてきましたが、この2年半でなんとかboardを軌道に乗せることができて、ずっと書いてきた「受託と自社サービスの両立」が、口だけで終わらずにすみそうです。

board事業自体はまずまず順調なわけですが、昨年後半ぐらいから、会社として過渡期だなあと感じているので、受託の会社から自社サービスを持つ会社への過渡期における課題を書いてみたいと思います。

 

売上の上がり方と採用

僕自身、ずっと受託畑なので、当然ですが、経営者としても受託脳です。

ただ、受託の数字の上がり方とサービスの売上の上がり方ってぜんぜん違うんですよね。

受託は単発ですがある程度まとまった金額を短期間に上げることができます。一方サービスは、継続的に売上が上がるものの、まとまった金額になるまでに時間がかかります。

この違い、当然頭ではわかっていたんですが、最近、採用面ですごく痛感するようになりました。

サービスって、受託に比べると、メンバーが増えても急には売上増えないんですよね。少なくとも受託のような上がり方はしない。

特にboardのように、基本的に営業活動をしていないでインバウンドのみの場合、短期的には、社内のメンバーが増えたところで、ユーザの流入数が増えるわけではありません。

当たり前なんですが、ここが受託と大きく違うところで、受託の場合、仕事さえ取れれば、ある程度、人数に比例して売上を上げることができます。

自分としては、この考えが染み付いているので、サービスで人を採用すると考えた場合、ものすごく先行投資で判断が難しい。

特にうちの場合、受託で稼いだお金でなんとかやりくりして自社サービスの開発をしています。

受託側の負担を増やさないためには、サービスの売上でカバーできる範囲で採用していくことになるのですが、そうすると、そのスピートというのは、受託に比べたらかなりゆっくりなわけです。特にBtoBのサービスだと爆発するような伸びはなかなか難しい。

サービスは順調に伸びているのになかなか人を増やせない、というのは、そもそも応募が少ないのもありますが、自分の中での課題として、こういった背景もあるなあと思ってます。

 

自分が受託から抜けること

これは2年前から徐々に準備してきました。
2年前は受託の新規案件の「開発」から抜ける。そして昨年は新規案件には極力入らない。

この取り組み自体はある程度はうまくいっているのですが、それでも営業段階ではかなり動いていましたし、昔から担当している案件はずっと担当したままですので、完全に手が離れたわけではありません。
ただ、boardの有料アカウントが500社を超えた辺りから、問い合わせ対応にかなり時間が取られるようになり、物理的に受託側に入れない状況になりつつあります。特に12月以降は、日中はほぼサポート業務にかかりっきり。

CSの採用ができればだいぶ状況は違うのですが、今のところまだ一人で対応しているので・・・。

そういう状況のため、今年は、「田向抜きでの受託とそこで必要な売上を上げる」という取り組み中で、かなりチャレンジングです。わずか8人の会社で、営業面でも開発面でも中心だった人が抜けることになるので、1人分以上の穴が空くことになります。

開発という点では、みんなに任せていても問題はないですが、やはり営業の口が減るのはリスキーですね。ここはあまり段階的に進めてきておらず、わりと一気に体制を変更してみたところです。

起業して以来、「受託のベンチャーでエンジニア社長が現場から抜けるのはすごく大変だよ」って色々な人から言われましたが、これは営業面が一番大きいなあと感じています。

受託をやりながらサービスを作っていくというスタンスの大前提は、受託の安定だと思っています。ここが揺らぐと自社サービスどころではなくなってしまう。安定を保ちつつ、うまく体制をシフトしていく。ここが今年の課題です。

 

エンジニア以外の分野の採用と体制づくり

エンジニアや受託のことであれば、10年以上やってきていることですし、リスクなども含めて色々と想像できるし対応もできます。ただ、他の分野については完全に試行錯誤です。

現時点でCSの専門メンバーを採用できていないのがまさにその失敗の一番の例で、本来は昨年のうちにCS専門メンバーに入れて、CSチームを立ち上げ、自分の手から離れるようにしておく必要があったなと。
500社を超えた時の問い合わせ対応をイメージできていなかったのと、なんとかなるかなという気持ちもあったり。

そのため、自分が専門ではない分野については、やはり完全に任せられる人を採用しないとダメだなと感じています。

それは単に仕事を任せられるというだけでなく、今後の成長過程で、チームを作っていける人。例えばCSであればCSチームの構築を任せられる人ですね。

受託をやりながらB2Bのサービスをやっていると、地味なので、露出の機会も少ないですし、知名度も低い。エンジニアの採用でも苦労しているのに、専門外のCSやマーケティングなど他の分野はなおさらハードルが高いです。

ただ、今後さらにサービスを伸ばしていくためには、CSやマーケティングなどこれまで社内に専門メンバーがいなかった領域の体制を整えていく必要があるなと感じています。


まとめ

課題感として一番大きいのは、やはり採用における先行投資の度合いが受託に比べて大きいという点ですね。

ここは、自分自身が、そろそろ受託の会社という思考・体制から変わっていかないといけないのかなという感じがしています。